将来の年金対策・老後への不安から、収入不足を補うために投資用ワンルームマンションを
購入される方が増えています。その他にも節税、生命保険代わり、相続税対策など目的は
様々です。
都心への人口の一極集中を緩和するためにワンルームマンションの建築を規制する条例が
強化されていますが、現在も開発は大手デベロッパーを中心に行われています。
むしろ規制によって供給が制限され、既存マンションの資産価値が上昇したというエリアも
あります。人口減少が懸念される日本の中でも東京23区は、今後も人口の増加が予測されて
いるため、安定した入居率・家賃収入が見込める、と予想されています。
「投資用マンションを購入するなら東京都心にするべき!」ということは明確でしょう。
しかし、条件の良い東京都心でのワンルームマンション投資でも失敗してしまうマンション
オーナーが続出しています。なぜ失敗してしまうのか?その原因と対策をご紹介いたします。
ワンルームマンション投資は
失敗しやすい?
三浦 義明
株式会社シノケンハーモニー
代表取締役
1995年6月株式会社日商ハーモニー(現シノケンハーモニー)入社。
2008年4月株式会社シノケンハーモニー代表取締役に就任。
その他、シノケングループ各社の物件管理会社、介護事業会社の代表取締役、建設会社、賃貸管理会社、少額短期保険会社、DX事業会社等の取締役を兼任。
ワンルームマンション投資は、単身者向けにマンションを賃貸し、
家賃収入を得ることを目的としています。
マンション投資にはファミリータイプ、ワンルームタイプの2つがあり、
今後も安定して収入を得られるのはワンルームタイプと言われています。
その理由として、単身世帯の増加が挙げられます。2015年の国勢調査の結果を元にこれからの東京の世帯数を予測した表によると、単身世帯は2035年代にピークを迎えると予測されて
います。東京都は2020年に人口増加が頭打ちになると予測していますが、その後も世帯が
細分化され、都内の単独世帯は2035年に全体の48.9%となり、総世帯数が減少した後も
増加し続ける見通しです。人口が減少する一方、世帯数が増加するということで、
単身世帯用の住居であるワンルームマンションの需要が高まることが予測されます。
単身世帯が増加する要因としては、働く女性の増加、男女ともに晩婚化・シングル化が
進んでいることが挙げられます。
増え続ける東京の人口。地方の人口が減少傾向にある中、
東京は10年後も現状維持もしくは増加する見込みです。
その理由は首都圏が日本経済の中心であることに関係しています。
現在、上場企業の約半数が東京に本社を構えており、
加えて海外企業の支社も東京にあることが多く、
外国人のオフィスワーカーの需要も見込まれています。
企業が集中しているため単身赴任のサラリーマンも増加傾向にあります。
さらに、外資系企業誘致のために街づくりの再開発も進行中で、
外国人の永住も見込んだ、
東京への人口集中は今後も
加速していくことでしょう。
家賃収入の評価は金額の大小のみで判断しづらいため、一般的に「利回り」が利用されます。
利回りには「表面利回り」と「実質利回り」の2種類があり、失敗しないためには
「実質利回り」で適切に判断すると良いでしょう。
表面利回り=年間の家賃収入計÷投資額×100%
実質利回り=(年間の家賃収入計−年間の経費計)÷投資額×100%
ここで注意が必要なのは、不動産販売会社やWEBサイトで物件が紹介される場合に「表面利回り」を使用しているケースです。
表面利回りだと年間の収入が増えるので、投資回収期間が短く見えて魅力的に映ってしまうことがあります。
ワンルームマンション投資を始める前に、この表面利回りと実質利回りをしっかりと把握しておくと良いでしょう。上記を例とすると、表面利回りには年間経費の15万円分が計算されていないので、利回りがよく見えます
マンションは年月が経つにつれて老朽化が進み、
屋根・外装の塗装や廊下・バルコニーの防水工事、給排水管の修繕などが発生します。
新築マンションであれば、すぐに修繕が必要な事態になることはまず無いので
修繕費の積立をし、いざというときのための準備期間があります。
しかし、中古マンションはいかがでしょうか?
ワンルーム中古マンション投資を始めたものの管理維持費やいつ発生するか予測できない大規模修繕にかかる費用といった経費に対する見立てが甘く、
急に修繕が必要となり、「準備ができていないまま高額な修繕費がかかってしまった。」
という話をよく耳にします。
修繕しなければ借りる人も見つからず、家賃収入を得ることができません。
もっと悪い例となると、購入した時点で修繕が行われておらず、
最初から購入費以外に修繕費が発生したという方もいらっしゃいます。
地方在住のかたも東京でワンルームマンション投資を始められる方が増えており、
物件価格と利回りの情報だけで中古マンションの購入を進めることは非常に危険です。
マンションの耐震偽装について2005年に社会問題となり、建築に関する法規制が整備された以降に建てられたワンルームマンションは構造・耐震性から見ても安心感があります。
地震大国である日本でマンション経営をするうえで、リスクの1つである地震による倒壊リスクを極力避けられる新築ワンルームマンションに投資するとお考えの方も多いかと思います。
これまで中古ワンルームマンション投資失敗の理由を解説してきましたが、
その一方で新築ワンルームマンション投資は失敗のリスクは無いのでしょうか?
一般的に投資というものは購入時の金額と売却時の金額の差額で利益を生むものですが、
マンション投資は「ずっと持ち続ける」ことで資産形成するものです。
しかしながら、様々な理由によってマンションを売却しようと考える時が来るかもしれません。
新築マンションを購入後、すぐに売却しようと思っても1回でも入居者が入ってしまった時点で
そのワンルームマンションは購入金額に近い金額では売却できないことがあります。
なぜ新築ワンルームマンションだとこのようなことが起きるのかと言うと、
販売価格と市場価格の違いが理由となります。
新築ワンルームマンションの販売価格とは、基本的には土地代や工事費、諸経費に基づいて
販売価格が算出されますが、その他にも不動産会社によっては赤字を避けるために、
最初に多くの広告・宣伝費をかけて部屋を販売しようとします。
この広告・宣伝費の他にも従業員の人件費などもかかってきます。
それらの費用全てを含めたものが、新築マンションの販売価格になるのです。
実績の浅い会社は世間に認知されていない為、顧客からのアクションを待つような
「待ちの営業」ではマンションを売ることができません。
顧客からのアクションを待つではなく、「営業電話をしつこくかけ続けてアポイントを取る」「用がなくても顧客のところへ足を運ぶ」など会社側から一方的に情報を発信することで集客をする「攻めの営業」に頼らざるを得なくなります。
売りたくても売れない状況が続くため、人件費や宣伝・広告費がかさみ、
販売価格と市場価格との差が大きくなり、購入後に売却しようとしたときに
大きな損害となる場合があります。
営業マンのセールストークに惑わされず、市場価格を把握しておくことが重要です。
その一方で実績のある不動産会社はいかがでしょうか?
実はマンション投資家から選ばれる不動産会社は物件情報を企業ホームページに掲載していないのです。
掲載しようにも過去に購入したことのあるマンションオーナーからの口コミや紹介、リピート購入等により、完成前・計画段階ですでに売れてしまっているからです。
新築ワンルームマンションを販売する不動産会社のホームページを見ていると、「頭金0円でマンション投資を始めることができる」といったフレーズを目にしたことはないでしょうか?
これは金融機関がその投資用ワンルームマンションに対して、フルローンを通すだけの価値があると判断したことになります。
金融機関は融資をする際に、「土地」と「建物」の価値から審査を行います。
良い土地・建物であれば例え全額であっても融資してくれるのです。
「土地」の価値としては路線価で求められ、「建物」の価値は建物再調達価格(全焼してしまった場合、建物の再現に必要となる費用)から導き出されます。
金融機関の審査基準にはその他にも、勤務先、勤続年数、年収といったマンションオーナーの属性も含まれるので、属性によっては多少なりに頭金が必要になるかもしれません。
逆に最初から「ワンルームマンション投資をするには、頭金が必要です」と話をする不動産会社は注意した方が良いかもしれません。
「販売価格の1割程度は頭金を用意してほしい」としている不動産会社は少なくありません。
頭金を用意するには越したことはないですが、金融機関の審査基準とは別の話です。
フルローンでも融資可能と判断されているワンルームマンションの方が安心してマンション経営できるのではないでしょうか?
中古ワンルームマンションと同様に新築ワンルームマンションも年月が経てば価値が下がることがありますが、逆に上がる物件もあります。
貸し出すにしても、売却をするにしても「立地」が非常に重要です。立地が良ければ購入したときよりも価値が高まるかもしれません。
単純に駅近物件であるというだけでなく、今後行われるであろう都市開発・
人口増加、人の動きを予測した先見の目を持って投資する
ワンルームマンションを選ぶことが失敗を回避するためには重要です。
不動産投資は「ずっと持ち続ける投資」です。
20年後、30年後を想定したときにプラスとなるような
投資シミュレーションを
不動産アドバイザーに相談しながら、
計画していきましょう。
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